どうも、ピスモです。
ANAスイートラウンジに置いてあることで、マイラーやエグゼクティブの方たちに人気のある資生堂『ルモンドール』シリーズが今年中に姿を消すになる……というニュースをご覧になった方も多いかと思います。
当ブログ最初の自己紹介記事で挨拶代わりに触れましたように、僕は仕事でこの商品とそれなりに接点があったりします(あまり詳しいことまで書くことは難しいのですが)。
ですので、このニュースのことはじつはもっと早く知っていました。むしろ、公になるのが遅かったくらいです。さすがに内容が内容ですのですぐにでもプレスリリースがあるのかと思ってたのですが、まさか8月になるまでリリースされないとは思いませんでした。
ずいぶん遅れましたがようやく先日この件が世に出ましたので、やっとこの件を語ることが出来るようになりました。
SKYコインに交換してSFC修行を全額まかなえるだけのマイルをすでに持ち、来年修行をすべきかどうかと悩んでいる修行僧予備軍として、この界隈で話題になっていたこの商品にまつわる話と今後の展望を書ける範囲で少し書かせていただきたいと思います。
もくじ
業務用商品を取り巻く状況
撤退が決まるまでの資生堂業務用商品
ルモンドールを含む資生堂業務用商品の完全撤退については、じつはそんな兆候すらまったくありませんでした。それどころか、噂にすらなったことがなかったんです。近年になってPOLAなどの他社がシェアを伸ばしてきて苦戦するようになってきてはいましたが、長年に渡り業界シェアのトップを守り続け数十〜百億もの売上を誇る業界の王者でした。
取り扱いをしている資生堂の子会社「資生堂アメニティグッズ」は本体の資生堂の子会社なのもあり市販品ほどの存在感までとは行きませんでしたが、それでも業務用商品であってもやはり資生堂ブランドは強かったんです。
少し劣勢な状況が近年続いていることから、巻き返しを図るために今年になって力の入った新商品(それも長年の課題を克服しつつある期待されていたものです)を投入するなど、資生堂アメニティグッズの社員も気合が入っていたような状況でした。
完全撤退のニュースはまさに青天の霹靂
そんな中、業務用商品市場からの年内での完全撤退という報告がなされたんです。それも決定事項として。
“青天の霹靂”という言葉を僕は生涯で使った記憶はほとんどありませんでしたが、これこそまさに青天の霹靂と呼ぶにふさわしく、自然とそんな言葉が頭に浮かびました。それほど衝撃的なニュースだったんです。
詳しい日にちまでは伏せさせていただきますが、それが先月の話でした。先月と言っても、末とかではありません。
このニュースは資生堂アメニティグッズの社員の方たちにとっても青天の霹靂だったようで、そりゃもう大変なものでした。特に彼ら社員は、あの天下の資生堂(の子会社ですが)で働いていたはずなのに突然先行きが不透明になったわけですから、不安も相当なものだったと思います。
当の資生堂としても、プレスリリースがかなり遅れたことから見てかなり社内は混乱していたのではないかとうかがい知ることができます。じつは、いくらなんでも遅すぎたんではないかと今でも僕は思っているほどです。それほどまでに対応は遅く、そしてまた情報が行き渡っていないような状況です。
そして業界にも衝撃が走りました。
まったく予想もされていなかったところから業界トップが消えるわけです。他社にとってはこんな大チャンスめったにあることではないですからね。クルマ業界に置き換えるなら、トヨタが自動車の生産と販売(下手すればメンテナンスも)をやめるようなものです。大混乱ですよね?
この決定は何度も書いているようにまさに突然でしたし、業界トップである資生堂商品を頼りに商売をしている会社も存在します。そういった会社にとっては、会社の存続を懸けて対応しないといけなくなっているというほどの大きな混乱を招いています。
そしてその“空くことになる椅子”を狙い、POLAを始めとしたメーカー各社、そして販売代理店など業界全体が激しく動いている状態です。
今後の展望と切り替わる時期
さて、気になるのは今後の展望ですが。
業界の行く末の話をしてもあまり興味のある方はいらっしゃらないと思いますし書けないことも多いので、ルモンドールのその後について少し書かせていただきます。
ルモンドールという商品は、数ある資生堂の業務用ブランドの中でも最高峰に位置するシリーズで、その価格は「ナメとんのか」とつい言ってしまうほどわりと本当に高かったりします。もちろん資生堂ブランドにおいてその価格に見合うだけの品質を誇っていますので、導入できるお店は限られたところだけとなってしまうわけです。
そんなルモンドールがなくなるわけです。すべてを把握しているわけではないので断言はできませんが、おそらく他社にこれだけの価格と品質を誇る商品はないのではないかと思います。
業務用商品とは
基本的に業務用の商品というのは「価格は手頃で品質もそれなり」という路線がメインとなっていて、高級路線のものはマイナーな存在です。あまり需要がないからですが、それでもそんなシリーズを用意するところが資生堂が王者たるゆえんだったのかもしれません。
ですので、今までルモンドールを使用していたところはこれに替わる商品を探すのが少し難しいかもしれません。その中で考えられる選択肢は3つです。
- 少し品質が下がっても他社の一番いいシリーズを導入する
- 品質に定評のある市販品を使用する
- 他社メーカーと専用オリジナル商品を開発する
この中のどれかになることでしょう。
Twitterで意見が出てましたが、オリジナル商品の開発というのが一番みんなに喜ばれそうですよね。実際、グレードの高いシティホテルにはオリジナル商品が置いてあることも多いですしね。
オリジナル商品を開発するにあたっての課題
ただオリジナル商品というのはロットによって大きくコストが変わってきます。ANAスイートラウンジだけでは当然消費量なんて知れてます。コストのことを考えるならANAラウンジ、ファーストクラス、ビジネスクラスとの共用、そしてホテルのクラブフロアなどにも導入先の幅を広げることは十分考えられます。
あともうひとつ、オリジナル商品を作るのであれば時間があまりありません。遅くとも年内には新商品への切り替えをしなければなりませんので、そこから逆算すると少々厳しいのではないかという印象です。
ただなにぶん大手ですし、メーカーからしても大きな宣伝になります。通常ではありえない方法を使ってでも間に合わせることも考えられますが。
さあ、どうなるでしょうか? この「答え合わせ」は、実際にANAスイートラウンジに行かれた方からの報告を待つとしましょう。オリジナル品でない場合、早ければ秋頃に切り替わるかもしれません。
こうなったことの要因
最後に、どうしてこうなったのかについてですが。
東洋経済オンラインがこの件について考察していましたので拝読しました。
資生堂が「業務用」バッサリ捨てる納得のワケ|東洋経済オンライン
非常に筋の通っている記事だなぁと感じました。
でも、この騒動を近くで体感した身としてはどうも違和感を拭えません。これまた詳しく書けなくて恐縮ですが、青天の霹靂と感じてしまうほどの急展開、そしてあのドタバタ劇がどうもこの記事から受ける印象と結びつかないんですよね。
あまりの展開に、この報告を資生堂から受けた当時は「なにか不祥事が絡んでいるのかも」とも思ったほどなのですが、いまだニュースになっていないところを見るとそれはなさそうです。そうなるとやはりただの経営判断だった、と考えるべきなんだとは思います。
が……それでもやはり釈然としません。今でも僕は「本当の理由はなんだろう?」と考えていたりします。
……以上、“事情通”の独り言でした。
あまり事情通になっていなくて申し訳ありませんm(_ _ )m
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