どうも、ピスモです。
まだまだ記事数も少なく、ゼロと誤差と言えるような数しかない当ブログですが、Twitterで少しこのシリーズのことを触れられて大変嬉しかったです。まずは30記事を超えるまではひたすら己との戦いで積み重ねていこうと思ってましたが、やはり反応があると嬉しいですね。もっとペースを上げて積み重ねられるように頑張っていきたいところです。
さてそんな『反面教師の鑑 -嘘みたいなポンコツサラリーマン-』ですが、第二回をお届けします。
もくじ
ep.02_自分の予定をほとんど伝えない男
自分の仕事を助けてもらう部下にも予定を伝えない
責任者として部下を統括する立場にあるT。
そのTは仕事をする際に、基本的に一緒に仕事をする仲間にも予定を伝えません。当たり前の話ですが、一人でやる仕事の場合はそれでも問題はないでしょう。でも彼は、自分ひとりでは手に負えない規模の人手がいる仕事がある場合、部下に来てもらわないと仕事が進められないというような状況であっても、それぞれに対して具体的に連絡をすることはないのです。
たとえば、『9月8日の9時、大阪で○○の作業があるために6人が必要。必要なものは△△』というような人手のいる仕事があったとします。朝から晩まで丸一日かかるような大仕事だとお考えください(場合によっては2日に渡る場合もあるほどです)。
普通そういう場合は 「○○のため9月8日9時に大阪の■■へ集合。必要なものは△△なので忘れないように」という最低限な情報を呼びたいと考える全員に伝える ものでしょうし、組織であるなら その旨を部下に伝え、伝達を任せる というのが一般的ではないでしょうか(本当は予定の都合はつくかという確認からすべきであり、「来なさい」という一方的な指示ではダメですが、ここでは話が煩雑になるので割愛いたします)? 丸一日(以上)かかるような作業であれば、自分が抱えてる仕事に大きな支障が出るのが普通なので何日も前から調整する必要が出てきますからね。当然のことです。
でも彼は、当然のようにそんなことはしないんですね。そのかわり彼がすることは
というように、その日にそこでこれくらいの人手が必要な作業があって大変だ、ということを直属の部下など一部社員にアピールするんです(まるで地獄のミサワで見たことがあるネタのように……)。
一言で言えば「察しろ!」ということですね。
ちなみに、その作業に伴う各種手配などは直属の部下に指示……いや丸投げしているため、いつどこで何が行われることはその部下がほぼすべて把握しています。なので、それを汲み取ってその部下がなんとなく他の社員に「○月○日はTの◆◆があるから、行かないとダメそうだよ」と伝えるわけです。するとあとはTに忖度した社員みんなが、それぞれ都合をつけて行く……ということになるのがよく見る光景です。
直接された指示と、(結果的に)人越しに伝わる”指示”は違う
結果的に、T直属の部下が伝達……すなわち指示してるから「それでいいんじゃないか」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。が、上司にあたるTは 伝達するように指示したわけではない んですよ。あくまでも各種手配を丸投げしてるから部下が把握することが出来たのであって、そこから各社員への伝達などはこの部下の忖度による行動に過ぎません。
もちろんTは「この部下ならそうしてくれるだろう」ということを見越しての「大変だわー」発言なわけですが、その部下越しにTの仕事に駆り出されることを聞いた同僚は気分が良いものではありません。
また、自分で指示をせず手配も指示も丸投げされてやらされているその部下も納得してるわけではないので、「Tがこう言ってたんで、行かないとダメじゃないですかね。どうせ行かなかったらまた面倒なことになりますし」みたいなトーンで伝えることになりがちです。それを聞いた同僚が「いや、頑張ってみんなでやろうよ!」となることはほぼないということは会社づとめをされてる方であればおわかりになるのではないでしょうか?
例外的に直接指示をするその相手と理由
ただし、Tはごくまれに指示を直接部下へと伝える場合もあります。
いえ、違うんです。そういうことじゃないんです。
Tが指示をするとしてもそれは大概の場合ごく一名、「S」という部下に対してだけということが大半です。
なぜ彼にだけはするんでしょうか?
それは、多くの社員がTの言動に納得していなかったとしてもそれを指摘したり糾弾したりせず、Tに”忖度”して大人な対応をし粛々と業務をこなすのに対し、Sだけはハッキリと「出来ないものは出来ない」「それはおかしい」と指摘・発言し態度で表すからです。Tへ明確にNOを示す、数少ない異色の存在――すなわちTにとって「一筋縄ではいかない相手」がSなんです。
さて、そんなSに対してだけは指示をするということがどういう意味を持つのでしょう?
気を遣ってる?
恐れてる?
いえ、それは決して間違ってはいないかもしれませんが違います。
わかりやすく言えば、 「ちゃんと早めに伝えなければ断られる可能性がある」 からです。断られると困るんですよ。だからそうならないように彼にだけは直接早めに伝えるんです。
……数日前に、丸一日(もしくはそれ以上)時間がかかる(すなわち各自の通常業務が出来なくなる)作業を依頼する方がどうかしてるから、こうやって断られてしまうのはある意味当然です。が、Tの計画性のなさは誰しもわかっているため、そんな状況になっても内心ブチ切れて蔑みながらも、渋々仕事の都合をつけて協力する部下が多いんです。
なのでそういう「わかってくれてる部下」と比較するとSのこういった言動は、Tからすれば「イレギュラーな対応をしなければいけない特殊なケース」ということです。この”イレギュラーな対応”こそが、 一般的に考えられる常識的な対応 だということもおそらく本人はわかっていないのだと思いますが……。
TがSに予定を伝えたのは、相手を気遣ってのことではなく「早めに伝えておかないと 都合がつかないことを言い訳に断られてしまう 可能性が出てくるから、そうやって逃げられないように先手を打って釘を差したかった」ということからの行動なんです。
もっとわかりやすく言えば、これは「自分が困らないように早めに直接伝えた」ということ。
それはすなわち、 相手のためではなく、自分のため だということです。
一事が万事、自分のことしか考えない男――それがTという男なんです。
彼から学ぶこと
以上、またも清々しいまでのTのクズっぷりでした。彼のこういう言動を反面教師とするなら、以下のことが言えますね。
●細かい手配を部下に丸投げすると嫌われる
●仕事に計画性のない男は嫌われる
●めんどくさい指示ほど直接伝えなければいけない
……相変わらず、改めて書くまでもないことばかりですね。でも、部下が出来ると甘えてしまってだんだんそういう仕事ぶりになってしまっているかもしれません。
いま一度しっかりと自分を見つめ直して、きっちりできるようにしましょう。