どうも、ピスモです。
かなり間が空いてしまいましたが、『反面教師の鑑 -嘘みたいなポンコツサラリーマン-』第三回をお届けします。
もくじ
自分の頭の中で完結している男、それがT
前回、前々回と書きましたように、会社での決済権を有する重要ポストに就いている「T」。
このシリーズでは毎回そのTのありえないエピソードをお伝えしていくわけですが、あまりのポンコツエピソードのオンパレードに「なんでいつもこんなことができるんだろう?」と気になってしまわれるかもしれません。はい、僕は激しく気になってました。
あり得ない言動の数々から、Tは基本的にあらゆることが自分の頭の中ですべての行動が完結していると結論付けました。アポを取ったのに予定を変えてしまうということは「その予定が変わると相手がどうなるか考えていない」ということですからね。しかもその後のフォローもしないということは、その相手がそうなったらどう思うか……すなわち「感情」があるとは思っていないということなんでしょう。
これはこのケースに限らずTの行動のすべてにおいて、彼は自分以外の人達に都合や感情があるということがわかっていないのです。そうとしか思えないほど、あらゆることが常軌を逸しています。
そういう感覚の持ち主だということを念頭に、ぜひ「なるほど、たしかにそうだ」と”答え合わせ”をしながらお読みくださると幸いです。
ep.03_作業から長時間抜けすぎる男
みんなでやっている作業をしれっと抜ける
さて、ある日ある現場でのこと。
Tが担当する現場で人手の必要な作業があったため、早朝から多くの部下達を呼び作業をしていました。その部下の中には、そのTよりも社歴の長い年上の先輩も複数名おり、またその先輩方は仕事もできるため多くの社員から一目置かれる存在だったりします。
個人的にそういうみんなが認めるような実力のある社員こそ出世して人の上に立つべきだと思いますので、こういう誰からも認められていない仕事しかできない社員が上に立つという歪んだ組織には、非常にストレスを感じてしまいます。
少し話がそれました。
この日作業をしている現場の担当であり統括者はTなのですが、じつはこの日の作業内容や段取りなどかなりの部分はノープランでした。経験豊富な部下たちに任せてなんとかなるだろう……と考えていたかは定かではありませんが、彼の日頃の言動からしてそんなところだろうということは容易に想像がつきます。
ですのでその日も現場を取り仕切るというほどの動きをするでもなく、実質的に仕事のできる先輩方を中心に回っていたのが現実でした。ちなみにこの日の作業はそのすべてを終わらせようと思うと不可能なほどの物量があり、2〜3日かけて仕上げていくというような内容です。が、人手を確保しているこの日のうちに出来る限り進めておきたい……と誰もが考える状況でした。
そんな感じの作業も開始から5〜6時間が経過。
この先へ作業を進めるために使うちょっとした工具や部材などが足りなくなるのが見えてきました。作業を潤滑に進めるためには誰かが買い出しに行って調達してくる必要があります。
と、誰に促されるでもなくTが買いに行くことを宣言しました。
……さらに。
必要な物はそんなにたいした量ではないんですが、その手伝いに来ていた部下の中にいる「全社員の中で唯一かわいがっている部下」を指名し、2人で買い出しに行ったんです。
「ちょっと疲れてきたし、買い出しに抜けて楽したいんだろうなー」
誰しもそう思っていましたが、あえてそんなことは口にしません。Tは何をやらせてもたいした働きができないため、むしろいない方が作業効率がアップするとまで考える社員すらいるからです。
買い出し先はすぐ近所
この作業場所はわりと街中にあるため、必要な物が買えそうなショップ(大型店)もすぐ近所にあったんです。徒歩で5分もあれば着くという距離(作業現場の建物内からなので外の移動だけなら1〜2分)。まさに目と鼻の先です。
買い出しを頼んだ物は数点。普段よく行っているショップではありませんしジャンルがバラバラなので少し店内で探す手間はかかりますが、それでもものすごく大変というほどの量ではありません。しかも1人ではなく2人ですし、手分けすれば意外と早く済むと考えられます。
――2時間後
Tと”かわいい部下”はまだ戻ってきません。普通の感覚であれば、徒歩5分の店に行き商品を探して帰ってくるだけですので早ければ30分、遅くとも1時間かかることはないだろうというほどの買い出しです。
それが2時間経っても帰ってこないどころか、連絡の一本もよこさない状態。
もちろん作業をしているみんなは、なかなか帰ってこないことに気づいています。連絡が一切ないということも。当然ですね。
でも「まだなの?」「あとどれくらいで戻ってくる?」ということすら連絡しようとする社員はいません。普通だったらさすがに気になるはずなんですけどね……。
買い出し品、追加の電話
そんな中、頼んでいた物とは別に、また新たに必要なものが2点ほど出てきました。おそらくまだ買い出しをしている(はずの)Tに、いつもの部下が電話をかけました。
極めて事務的で最低限なやりとりです。
いくらなんでも遅すぎる2時間という時間が経っても帰って来ないということは、ひょっとしたらなにか別の用事が入って大変なのかもしれないとも考えられます。それを確認するための「まだ買いに出てるんですよね?」というフレーズだったわけですが、それに対する明確な返答もなく、また想定以上に時間がかかっていることに対する説明もなく、返事一言で終了です。
穿った見方をするのなら、面倒な作業を部下にやらせて自分は仲のいい(と本人は感じている)部下と2人で通常の何倍も時間をかけての買い出し……という状況です。
ふつう、もうちょっと配慮しないですかね?
程度の、枕詞的な言葉だったとしてもいいので。
でもそれらの言葉も一切なく、ただ要件を済ませただけのやり取りでした。これでは一緒に仕事をしている仲間に対してあまりに配慮が欠けているのではないでしょうか?
T、帰還。
Tとその部下が戻ってきたのはそれから1時間あまりが経過してからです。
徒歩5分と目と鼻の先にあるすぐ近くの店への買い出しに、都合3時間はゆうに超える時間をかけて戻ってきたということになります。
途中で追加はありましたが、それを考慮しても1時間そこそこで戻ってこれるような内容です。なにをすれば3時間以上もかかるのか見当もつかないレベルです。
それなのにこれだけ時間がかかったことについて、Tはまったく触れることはありません。
「サボりやがって――」
当然、作業をしていた社員のみんなは内心では全員がそう思っていたはずです。でもそんなことを口にする人はいません。なんなら「戻ってこなくてよかったのに」とすら思ってる社員までいたと思われます(未確認ですが)。
末期の状態ですよねー、まったく……。
ちなみに買い出しをしたショップの入っている建物内にはパチンコ店も入っていたので、パチンコをしてたら思いの外出てしまって帰れなくなったんじゃないか……という推測をした社員もいたとかいないとか(ここにいる)。
いかに異常な状態か?
さて、少しこの状況を整理しましょう。
- 早朝からの作業で、半日はみっちりかかる内容
- 現場に到着するまでは1〜3時間かかるような遠方
- 作業現場の物件はTが担当者であり、また役職が一番上の立場
- 部下の中には年上で部下からの人望も厚い先輩も存在
- その日の細かい作業内容や段取りの指示はほぼせず
- 作業しているみんなは早朝からほぼ通しで作業(食事休憩をとる程度)
- みんな一斉での休憩や交代での休憩を取るような指示もせず
- 自分が買い出しに抜けた後の指示はしない
- 1人でも行けそうな物量なのに、わざわざかわいがってる部下を連れて行く
- 小一時間で済みそうな買い出しに3時間超もかかっても理由すら説明せず
みんなが作業を手分けしている状況で誰かが行かないとみんなのその後の作業に影響するわけですから、買い出しは決してサボりではありません。だから「買い出しに行ったからサボった!」などと言うつもりはありません。
ただ……ケースバイケースなので一概には言えないとは思いますが、ちょっとだけ気分転換的な要素があると感じる方は多いのではないかと思います。僕がもしその中で作業をしていたのなら、ぜひ立候補して買い出しに行きたいです。もちろんサボるつもりはありませんけどね(`・ω・´)キリッ
そんな要素も少しある「買い出し」という役割を、現場の担当者であり統括する立場でもあるTが率先して立候補したわけです。
僕はまずここからしてダメだと感じました。
別に、本来であれば一番上の立場の社員がその役割を買って出るのはけっして悪いことではないと思うんですよ。ただ、このケースはあまりにもTにとってネガティブな要因が多かった。上記のような状況下で、自分が抜けたことに対するケアや残って作業を続ける社員への配慮などを何もしなかったというわけです。
そんなことをすれば、日頃から自分に持たれている不信感をさらに助長するに決まっていますよね。
みんなから信頼されない要因を自ら作り出してしまっている男、それがTという男です。
彼から学ぶこと
以上、またしても作り話ではないかと思うほどのTのクズっぷりでした。彼のこういう言動を反面教師とするなら、以下のことが言えますね。
●担当者なんだから、作業がスムーズにできるよう段取りをしっかり考えておく
●みんながスムーズに作業できるよう事前にわかりやすく内容を伝える
●軽めの仕事は部下に回し、自分は大変な作業を行うようにする
●報告はしっかりと!
基本中の基本ですね。
一番目と二番目については当然のことですが、三番目の「軽めの仕事は部下に回し、自分は大変な作業を行うようにする」ということについては、上下関係をスムーズにするための基本的な心がけ(部下としても「上司にキツい作業はやらせられない」と考えますので、思いやりや気遣いが生まれます)となります。ワンランク上の評価をしてもらえるようになるポイントですので、きっちりと意識して自然にできるようにしたいところです。
軽蔑されないよういま一度しっかりと自分を見つめ直して、尊敬される先輩や上司でいられるようにしましょう。